図書館にて エドワードサイード 『知識人とは何か』
- 作者: エドワード・W.サイード,Edward W. Said,大橋洋一
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 1998/03/11
- メディア: 文庫
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追記 読後
本書のキーワードはレプリゼントrepresentation、表象=代弁。
「公衆に向けて、あるいは公衆になりかわって、メッセージなり、思想なり、姿勢なり、哲学なり、意見なりを、表象=代弁し肉付けし明晰に言語化出来る能力に恵まれた個人」が知識人として重要であるとする。
本の表紙に書いてあることだが、「知識人とは亡命者にして周辺的な存在であり、またアマチュアであり、さらには権力に対して真実を語ろうとする言葉の使い手である」の一文が、本書を要約している。
ここで、専門家としているのは、「自分の専門という基盤にたったうえで冷静な判断をくだし、客観性をおもんずる」もので、対してアマチュアは「褒賞とか将来の経歴に関わってくる業績を求めようとしないだけに、公共の場で誰かにはばかることなく施行なり価値観を表明したいと望む」とする。
サイードが専門家を批判するのは、しばしば専門家が支配的な体制が行う行動に対して正当性を与えることがあることからである。
だから、支配的な体制に対して媚びることなく、常に批判的な姿勢で権力に疑義を突きつける姿勢が
知識人にとっては必要不可欠であると指摘。
村上春樹だったか忘れたが、イスラエルでの講演で
同じことを言っていたような気がする。
訳者あとがきで魅力的な言葉
『はたして読者はみずからを亡命者、故郷喪失者とすることができるだろうか』